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前回のあらすじ>






「マジでヤバスやでぇ!」

母を探して三千里。
母親の手がかりを求めて田舎からヴィントブルームの街へと出てきたアリカちゃん。
悪党・ホログラフ・飛び降り自殺者。そこには今まで見たことが無いような物が一杯だった。
そんな時、これからの物語のために気を見計らったかのようなタイミングで、スレイブが出現!
アリカちゃんに襲い掛かるのであった。
(正確にはマシロちゃんに)
そこへ我等のナツキ学園長が颯爽と登場し、見事ぶぶ様がスレイブを打ち倒す!
そのぶぶ様の姿に感動を覚えたアリカちゃんは、
少しでもぶぶ様とお近づきになるためにオトメになる事を決意し、
ガルデローベへの入学を希望するのであった。











「ガルデローベは関係者以外立ち入り禁止だよ!?」
「アタシは十分に関係者よぉ!」

「あの〜・・それを言ったら少佐も・・・。」




いきなり強制退去を命じられる、一応今作の主人公であるアリカちゃん。
成り行き上とはいえ、許可無くガルデローベに入ってしまったアリカちゃんに、
「ここは子供の居る場所ではない。さっさと帰れ!」と、
セルゲイが偉そうに警告します。ここぞとばかりに偉そうです。

注)手前にいる寂しそうな子供はセルゲイの子供のニナちゃんです。
そんなセルゲイに、アカネちゃんからも警告が入ります。
「それよりも‥男子禁制のほうが先に立つんですけど?」
要は、
「二人ともさっさと帰れ!」という事です。




「ふぅ、なんや少し肩が凝ってしまいましたわ。
後でナツキに(性感)マッサージでもしてもらおかしら。」




それはそうと、前回のラストにおいて久しぶりにマテリアライズをして舞闘したぶぶ様が帰って来ました。
普段は毎晩、それはもうくんずほぐれつ学園長と夜のマテリアライズ合戦を繰り広げているのですが、
今回は
「リョウちゃんモッコリ〜♪」とか言い出しそうなほど股間がアレな人が相手だったため、
流石のぶぶ様も、ほんのりお疲れモードなのでした。





「それで食堂の来週の献立なんだけどぉ・・何にしようか迷ってるの。」
「私はマヨネーズが良いな!」




そんなぶぶ様を他所に、学食のメニューを決める事で頭が一杯の学園長。
隣りに居るのはガルデローベ技術主任のヨウコ先生です。
なにも、わざわざこんな時にこんな所でそんな事を決めなくても良いと思うのですが、
「健全な精神は健全な肉体に宿る!」という言葉もあるので、たかが食事といえども侮れません。
学園長は、どんな些細な仕事にも真面目に取り組むタイプなのです。
その割には自分の好きなモノを言ってるだけですが…。




「・・えっ?でもそれって料理じゃなくて調味料でしょ!?」
「ダメか?ならマヨネィーズでいい。」
「いや、それ基本的に変わってないんだけど・・。」

「ふ〜む・・献立を考えるのも難しいな。
じゃあ取り敢えずマヨネーズを入れておいてくれ。」

「いや、だから・・・。」




マヨネーズは調味料と考えるヨウコ先生と、それ単品で料理と考えるマヨラーの学園長。
二人の議論は混沌の一途を辿ります。




「せやったら、間を取ってナツキにしたらどうやろか!?」



そんな二人の様子を見かねたぶぶ様が素晴らしい提案をしました。
確かに学園長なら、メインに据えても脇に置いても美味しく頂ける上に、ぶぶ様自身も大満足!
流石は補佐官の肩書きを持つぶぶ様。
どの辺が間なのかは不明ですが、取り敢えず日本代表もビックリのナイスアシストです。
ですが、
議論の混沌ぶりはますます熾烈を極めてしまいました。




「何を言うシズル!それじゃマヨが食べられないじゃないか!!」
「そうねぇ、確かにそれじゃマヨが・・・えっ?怒るとこってそこなの!?」




ナイスアシストかと思われたぶぶ様の意見に、珍しく少々ご立腹の学園長。
確かに、学園長自身が料理になってしまってはマヨを食べられません。
ぶぶ様痛恨の(味方を)スルーパス。
ヨウコ先生も困惑しています。




「うちとしたことがウッカリしてましたわ。
ほなら、セットでマヨも付けましょ。」




ミスに気付いたぶぶ様。
学園長とマヨ、この二つは切っても切り離せない存在である事を忘れていました。
そう、御飯はオカズがなければ食べられません。
オカズがあって初めて御飯の美味しさが引き立つのです!
まぁ、御飯がオカズを食べる必要は無いんですけどね…。





「いや、そういう問題じゃ・・」
「流石はシズルだ。よし、主任!早速今のメニューを追加しといてくれ!」




大満足の学園長。そのまま一気にメニューを強制可決してしまいました。
コレで来週の食堂のメニューには、
「学園長女体盛り定食M」が登場することになりました。
ちなみにMは「まいっちんぐ」の略です。主に料理を作る人がまいっちんぐ!




「・・はぁ・・はぁ・・ガルデローベって東京ドーム何個分の広さなのよぉ〜!」



食堂のメニューも決まり、皆の話題が無くなって場が静まり返っていたちょうどその時、
まるでその事を予め知っていたかのようなタイミングで、マシロ姫の側近メイドである、
前作における瀬能あおいさん似のアオイ・セノーさんがその場に現れました。




「・・はぁ・・はぁ・・でも、これなら間違いなく24時間TVは楽勝ね〜・・ふぅ・・ふぅ・・。」



どうやら24時間TVの100kmマラソンに向けて特訓中だった様子のアオイさん。
ガルデローベの正門前からココまで、全力疾走して来ました。




正門前からさっきの場所まで↑



手前に見える門がガルデローベの正門であり、
上に見えるひな祭りの落雁みたいなヤツの足元が、皆の居た場所です。
流石はヴィントブルームの次期女王であるマシロ姫の側近メイド、
その体力たるや計り知れません。
マラソンの特訓で全力疾走をしてるあたりも計り知れません!





「やぁ、アオイさん。今日も一段とお美しい!輝く夜空でナポリタン!」
(・・・ナポリタンがなんだって?)




アオイさんを見つけたセルゲイ。早速口説きに掛かりました。
綺麗な夜景を一望できるレストランでナポリタンでも如何ですか?と誘っているのです。
そんなセルゲイは、殺し文句のアレっぷりは相変わらずですが顔だけは妙に気合が入っています。
それはともかく、以前一度だけ聞いた事のある「ナポリタン」という言葉が無性に気になってしまった学園長。
「ナポリタンがなんだって?それはマヨか?マヨが掛かっているのか?っというか新種のマヨなのか!?」
と、主にマヨネーズの事を必死で訊ねていますが、口説くことに必死だったセルゲイは答えてくれなかったため、
学園長は
ナポリタンがマヨの新種ではないということを知ることが出来ませんでした。




「・・・はっ?」



何となく予想は付いていましたが、やっぱり振られたセルゲイ。
おまけに
すごい不審そうな目で見られてしまいました。
一応デートに誘ってるというのは分かるのですが、突然そんな事を言われても困ってしまいます。
そして、突然作画に気合を入れられても困ってしまいます。
誰だか判らなくなってしまいます。




「ハハハ、アオイさんは冗談が上手いなぁwww
僕の気持ちはこの子の髪型、二人で星屑ロンリネス!」
(髪型?・・あぁ、そーいう事か!)




目的のためにはあらゆる物を利用するセルゲイ。
主人公だってその対象外ではありません。というかむしろ恰好の素材でした。
今度は、二人っきりで満天の星空を眺めながらロマンチックに愛を語り合いませんか?と誘います。
そんなセルゲイの話の流れからアリカちゃんの髪形を見た学園長。
なにやら自分の中のわだかまり的なモヤモヤが一つ、スッキリしたようです。




「主任!来週のメニューに心臓強化料理(ナポリタン)も追加だ!」



何かを間違えてしまった学園長。
セルゲイの言葉とアリカちゃんの髪型から、
「ナポリタン=心臓強化のマヨ料理」と判断してしまったようです。
(これは生徒達の滋養強壮のための良いマヨ料理になるな。)
なんて思ってますが、ナポリタンがマヨ料理で心臓強化に効果があるというのは、
あくまでナポリタンを知らない学園長が勝手に決めただけなので、実際には全然違います。
しかし・・・




「あ、あの、心臓強化料理って・・心臓病にも効くんですか!?」
「ん?あぁ、まぁ・・。」

「オイ、コラッ!あと一歩でアオイさんを口説けるんだから邪魔するな!」




田舎から出て来たばかりのアリカちゃんには、そんな事など及びもつかない事でした。
そして、その料理を食べるために是非学園に入学させて下さいと学園長にお願いしだします。
入学できればオトメになれるし、ぶぶ様とお近づきになれるかもしれないし、
そしてさらにお母さんの情報も手に入るかもしれないので、アリカちゃんにとってはまさに一石三鳥のお話なのです。
しかしアオイさんを口説いてるセルゲイには全く関係ない話なので、
邪魔されたことに腹を立てています。大人気ないです。




「え?あのぉ・・功徳って何の話ですか?ガンジーさんのお話ですか?」



セルゲイ沈没!
あと一歩でオトせると信じきっていたセルゲイでしたが、
アオイさんには、悲しいほどまでに全くもって話が通じていませんでした。





「大丈夫、まだ大丈夫だ。俺の心はまだ折れちゃいない・・。
諦めたらそこで試合終了だ・・・。」




流石に切り返す言葉の見つからなかったセルゲイ。
(ガンジーって誰なんだろう?)なんて事を思いつつ、上を向いて溢れる涙を堪えます。




「アタシ心臓病だから入学したいんです。
ううん、入学するって決めました!」




そんなセルゲイの涙は完全にシカトして、勝手に話を進めるアリカちゃん。
ニナちゃんの時と同様、凄まじいまで押しの強さ。
その我侭ぶりに、後ろのぶぶ様も
「あらあら…。」みたいな感じの若干冷ややかな目をしています。
っというかホントに心臓病なんですか?





「えっ・・心臓病だから入学したい!?」



ちょっぴり困惑気味の学園長。
(この子はガルデローベを病院と間違えてるんじゃないか?)っとか思う以前に、
“心臓病だから”入学したいなんていう、なかなかあり得ないアクティブかつ良く分からない志望動機に、
思わず「きょとん!」という言葉がピッタリの顔になっていまいました。





「・・・そ、そうは言われてもなぁ・・。」



前作では自身が辛い過去を背負っていたため、
こーいう辛い境地に居る子が必死に頑張ろうとする姿にはちょっぴり弱かった学園長。
簡単には決められない問題なため口では否定していますが、ちょっと迷い気味です。





「アタシ・・生まれた時から心臓が弱いんです。」



学園長が迷っているのを知ってか知らずか、
ここでタイミング良く自分の心臓病の事について語りだすアリカちゃん。
「自分はこの心臓の所為で昔から何も出来なかった。」
「今でこそ動けるようになったけど、いつまた悪くなるか分からない。」
「だからこそ、出来る内に出来る事を出来るだけやっておきたいんです!」

学園長に対し、アリカちゃんは懸命に訴えかけます。
(ホントかどうかは知らないけど)




(この元気な少女にそんな辛い過去があったとは・・・。)



目が泳ぎ始めた学園長。そろそろ限界です。




(ふぅ・・しょうのない子ぉやねぇ・・ふふ。)



(シズル・・どうしよう・・・?)
そんな学園長の心の声をキャッチしたぶぶ様。
ここで愛しの学園長に助け舟を出すことにしました。





「嬉しいわぁ!そんなにウチの舞、気に入ってくれはったん?」
「はぁぁぁ・・・は、はい!!!」




“心臓が弱い弱くない”から“舞を気に入る気に入らない”という話にどうやって繋がったのかは兎も角、
憧れの人に声を掛けて貰えて大興奮のアリカちゃんは、アイドルを前にしたオタクの如きハシャギぶり。
それを見たセルゲイも、その横で
何故か“気をつけ”をしています。
「はしゃぐオタクの前では気をつけをしないといけない」という信念でも持っているのでしょうか?




「ナツキ!この子は遠くから出てきて行く当ても無いみたいやし、
今日の所は一旦、ココで預かってあげたらどうやろか?」




そんなセルゲイには目もくれず、一つの案を打ち出すぶぶ様。
これなら学園に入れる入れないの答えを保留することも出来るので学園長もゆっくり考えられるし、
それを口実に、内緒で色々な情報を聞き出す事や、隠れてチョメチョメする事だって可能です。
セルゲイも口説くためには手段を選びませんでしたが、
ぶぶ様も学園長のためなら何だってやりますし、手段も選びません。
っというか、ぶぶ様の場合は前作において一度実行済みなので、油断なりません。





「・・ん?そうなのか!?まぁシズルがそう言うなら別に良いけど・・・。」



(いつの間にそんなこと聴いたんだ?)とか思っている学園長。
そっちの疑問が先に立ってしまったため、
ぶぶ様の助け舟自体には全く気付いていませんでした。ぶぶ様ショック!





「・・あり得るかあり得ないかで言ったら、それはあり得んなぁ・・・!!」



恐れ多くも、ぶぶ様のお言葉に反対の意を示すセルゲイ。
英語に直せばニ文字で済むことを、わざわざ文字数を増やすことで、
それがさも重大な事であるかのように誇張します。
実は、前回の後半で飛行機が空を飛んだことの原因が、
アリカちゃんの持つ宝玉の所為ではないか?という話をさっきニナちゃんから聞いたため、
「今回のスレイブの事絡みで、お偉いさん方に色々と話すべきだ!お前達だけに手柄はやらないぞ!」
と、主張しているのです。
がっ!実際にはさっきアリカちゃんに恋路を邪魔された事への恨み
(逆恨み)から、
ただ単にアリカちゃんに都合の良い展開を邪魔したいというのが、意を唱えた理由の大半です。
かなり人間が小っちゃいです。

しかし、そんなセルゲイを嘲笑うかのように、舞-HIMEプロジェクトの最強タッグが不敵に微笑みます。




「フッフッフ・・少佐!私達はナツキとシズル。
一般的には『シズナツ』or『ナツシズ』と呼ばれる存在だ。」
「そうどす!人気投票では“1・2フィニッシュ!”どすえ?(人気投票第2回結果)」




全身から迸る自信。
「私達あってこそだ!」「そうどす!ナツキあってこそどす!」
第1回人気投票でも1位だったぶぶ様と、その時は3位だった学園長が言い放ちます。
お前はまだまだ青‥いや、黄色い!っと。





(くぅ〜!!かっぺムカつく!かっぺムカつくぅ〜!!)



舞-HIMEプロジェクトを支えるトップエリートである二人を前に、
基本的に数の少ない男性キャラの中でも4位にしかなれなかったセルゲイでは、敵うべくもありませんでした。
所詮この世は弱肉強食。人気があれば生き、人気が無ければ消える。
猿岩石が消えたのもそれが理由です。





「ブランカブラジル日本の子ーー!!!」



人気の前にセルゲイが退かざるをえなかったあの後、
守るかのようにぶぶ様に抱きかかえられたアリカちゃんは、その嬉しさのあまりに気絶してしまいました。
そしてその次の瞬間、目を覚ますと、アリカちゃんは知らないベッドに横たわっていました。
ココはガルデローベの医務室兼
研究所天井は勿論、知らない天井です。
夢の中では飛行機に乗っていたアリカちゃん。
一人だけシートでエコノミー症候群になりかかっていたところ、突如として飛行機が爆発炎上!
そのまま一人、未開のジャングルに落とされたアリカちゃんは何とか逞しく生き抜き、
身体中から発する電気を武器に様々な格闘家と戦っていたのですが、
ちょうど星みたいな名前の人と戦って勝利した所で目が覚めました。





「主任・・それで・・・改・・の・・は・・・もう済んだのか?」
それなら済んだけど・・・実は・・・・が・・・・ったのよ。」
「・・そうか・・・な・・・・審議会・・・・なう・・・・。」




そんなアリカちゃんが周りを見渡すと、
ぼやけた視界の中に見知らぬ二人の人物が立っていました。
何かを片手に、見慣れぬ機械らしき物の前で白衣とコート+コチラを見つめてのヒソヒソ話。
(これは怪しい!)
咄嗟にそう思ったアリカちゃんが耳を澄ますと、
“改造”がどーのという単語が聞こえてきました。




「アタシ改造されちゃったのーー!!?
それであんな風に身体から電気がーー!!?」




まだ少し夢を引き摺っているアリカちゃん。
現実にそんなことが出来れば既に東京電力がやってるはずですが、
実際には行われていないため、それはあくまでアリカちゃんの夢でしかないのです。





「っていうか何でアタシ裸なのぉぉぉぉぉおお!!?」



そして、今度は自分が裸だったことにビックリするアリカちゃん。
(そんなまさか、コレは健全な青少年が観る番組なんじゃないのぉー!?)
(テレ東はパンチラはダメでもそれ以外なら別に全然OKなのー!?)

などと
意味不明なことを考えて、思わず乱馬1/2みたいなポーズを取って驚いていますが、
起きたて早々でこんなに騒いでいては、さっきの心臓病の話が嘘ではないかと疑われてしまいます。





「あら、お目覚め?気分はどう?
コレを食べれば(健康状態の)最後の調整は完璧よ!」




そこに、朝御飯を持ってヨウコ先生が登場。
どうやらさっき見えた人物達は、ヤバ目のマッドサイエンティストではなく、
ヨウコ先生と学園長だったようです。
ですが、この笑顔と言葉から何か良からぬことを感じてしまうのは気の所為なのでしょうか?





「ニナとアリカという少女については審議会の方で・・・」
「そんな事はどうでも良い!
それより何故わらわが脇役扱いされねばならぬのじゃ!!」




その頃のマシロちゃん。
アリカちゃんの持つ宝玉の所為で飛行機が勝手に空を飛び、その挙句にヴィント城に墜落。
(後半の原因はぶぶ様)
おまけに、ニナちゃんはマシロちゃんと勝手に仮契約をしてマテリアライズをしてしまいました。
この重大な事実に、学園長は、各国のお偉い方で構成されるガルデローベ審議会を開き、
そこで厳正なる審査をした上で二人の処遇を決めたいと思う旨をマシロちゃんに伝えようとしますが、
マシロちゃんにとってはそんな些細なことよりも、
自分が前回の後半辺りから暫くの間脇役扱いされてたことの方がより重大な問題でした。





「今すぐ出番を増やすよう、ゴッド吉野に伝えよ!!」



怒りが止まらないマシロちゃん。
「責任者を出せ、責任者をー!!」っと、
まるでクレーマーが如き態度で学園長とぶぶ様に喰らい尽きます。





「え〜、誰それ〜?キモ〜イ!」
「ウチも誰だか全然分かんな〜い!どす。」




しかし、所詮は出番少なき子供の発言。
トップエースの二人は大人の余裕を持って、子供の主張を突っぱねます。
大人気ないです。





(ちっ、この小娘共が・・・!)



怒りのあまり、思わず前作の歳からの考え方をしてしまったマシロちゃん。
前作ではダントツのご長寿でしたが、
今回では自分の方が小娘なので今すぐ演技を改める必要があります。
でないと、物語が真面目に進みません。




「・・じゃ、じゃが・・・そこを何とか・・!」



プライドを捨てたマシロちゃん。
このまま出番が減って退場させられるくらいなら、前作のあかねちゃんみたく精神崩壊するくらいなら、
つまらないプライドなどクソ喰らえです。
でも良く考えたらマシロちゃんに想い人は居ないので、精神崩壊することは出来ませんでした。残念!





「(・・やれやれ、仕方ないな。)シズル、例のモノを。」
「はい、学園長。」




そう言うと、心底「やれやれ・・」といった感じでぶぶ様から書類を受け取る学園長。
ココに来て何故かキャラが変わっています。
まだ2話目なので自分のキャラを掴めていないのでしょうか?





「実は、私はあのアリカという娘をこの学園に入学させたいと考えているのです。
あの子には、やる気は勿論のこと、
将来優秀なオトメになるであろう素質が十分に有り得ると判断したからです。
そして勿論、現時点で優秀なオトメ候補生であるニナ・ウォンについても、
無事に卒業させてあげたいと考えています。
ですが姫も知っての通り、先日あのような事件が起きてしまいました。
根本的な原因については未だ調査中ですが、
恐らく審議会の場においてあの二人が何らかの重い処罰を受けることは確実でしょう。
場合によっては、ニナ・ウォンの退学、アリカ・ユメミヤの重罰、という事も十分に考えられます。
しかしそうなると我が学園だけでなく、他国の人物においても重大な損失となる可能性があります。
おまけに、描写こそ無かったもののニナが仮契約で勝手にマテリアライズしたそうですが、
その仮契約の相手はマシロ姫だったとか?
そうなると、その場に居てそれを止める立場に居ながらそれを許してしまった姫自身にも、
多少の過失が存在してしまうのでないかとも思えるのですが・・どうでしょうか?」




なかなか引き下がらないマシロちゃんに、言葉の物量作戦を展開する学園長。
物量作戦は、現代戦において最も有効な作戦の一つです。
相手を言い負かしたい時には物量戦!
それまでの話とまったく繋がりの無い意味不明な内容でも良いからひたすら早口で喋り続け、
喋るだけ喋ったら相手が言い返してくる前にその場を離れる。コレで完璧!
実際の勝ち負けは兎も角、残された相手には何とも言えない敗北感とイライラ感が残ることでしょう。





(・・・ど、どうでしょうか?って言われても・・
何を言われていたのかサッパリ・・・。)




あまりの情報量にちょっと混乱気味のマシロちゃん。
内容的には、要するに先日の事件はマシロ姫にも責任があるので全てをチャラにし、
その上で、アリカちゃんを学園に入学させますけど良いですよね?
でないとマシロ姫にも罪が降りかかってしまいますから・・ね?っという事なのですが、
普段は絵本しか読まないマシロちゃんでは、イマイチ内容を把握できませんでした。





「ですがまぁ・・コチラの用件を呑んでもらえるのなら、姫の話も聴きますが?」



マシロちゃんが良い感じに混乱したのを見計らい、自分に有利な立場で話を進める学園長。
前作よりも年齢が上になった分、こういう駆け引きの技術に関しては上手くなりました。
大人な余裕も漂っています。
そんな学園長の話のココでのポイントは、
あくまで「聴く」と言ってるだけであるという事です。
あくまで話を聴くだけなので、その後の事については特に関与しません。





「アオイ!帰りにアイス屋さんに寄って行くぞ!!」
「あ〜ん、待って下さいよぉ〜マシロ様ぁ〜!」




よく分からないので取り敢えず帰ることにしたマシロちゃん。
高いプライドからか、若干怒りながら帰ってしまいました。
アイス屋さんに寄ってくのは、熱くなった頭を冷やすためです。
それはともかく、部屋からそんなマシロちゃんの様子を見ていた学園長が、
ぶぶ様に対して素朴な疑問をぶつけます。





「なー、シズルー!何でマシロ姫は怒って帰っちゃったんだろうな?」
(ナツキ・・アンタは罪作りな子ぉやなぁ・・・。)




どうも様子がオカシイと思っていましたが、どうやら別の人が降りてきていた様子の学園長。
さっきまでの記憶が抜け落ちていました。
そういう事情でなければ、学園長があんなに余裕に満ちた、
大人なキャラを演じられる訳がありませんでした。
(やってることは大人気無かったですが)




「すいませ〜ん!審議会ってどこですか〜?」



その頃のアリカちゃん。
(このままココに居てはいけない、ショッカーにされる!幹部なら良いけどただの下っ端構成員は嫌だ!)
そう思ったアリカちゃんはヨウコ先生の所から逃亡し、
先ほど学園長が漏らした情報を元に、自力で審議会(正確にはそれをやっている場所)を探す事にしました。
『捜査の基本は足!』その言葉を知っていたアリカちゃんは、
足が良く見えるようにとほふく前進で学園の中を探索する事にします。
しかし良く考えれば審議会とは何なのか、何処でやってるのか、そもそもどういう形のモノなのか、食べ物か?
そんな感じで対象に関する情報はゼロでした。捜査のしようもありません。
1時間ほどほふく前進したところでその事に気付いたアリカちゃんは、
仕方なく近くに居た人に道を尋ねることにしたのでした。




「ご利用は計画的にーーーっ!!」


「ひっ、鬼ババ!?」


「だぁれが鬼ババじゃぁぁぁぁ!!!!」


「ご、ごご、ごめんなさぁ〜い!!
でもやっぱり鬼ババですよぉ〜!!」




何気なく道を聞いた相手は、悪質な顔で取立てをする闇金業者さながらの人物でした。(主に顔が)
一見すると悪戯をして「ばーかばーか!」と言いながら逃げる悪ガキみたいな顔をしていますが、
本人はかなり必死です。
あの顔具合から言って、捕まったら身包み剥がされることはほぼ間違いないので、
そうなった場合、現在無一文で洋服を買えないアリカちゃんは、
様々な規制により番組に出演することが出来なくなってしまうのです。
目の前に迫り来る、第二話にして主人公が居なくなるという危機!




「ご利用は計画的にーーーっ!!」
「ご利用は計画的にーーーっ!!」
「ご利用は計画的にーーーっ!!」
「ご利用は計画的にーーーっ!!」
「ご利用は計画的にーーーっ!!」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・」




そんな都合はお構い無しに、
たまのイベント発生を目的に次から次へと人が集まり、学園は大パニックになってしまいました。
高校時代とか何か事件があると無駄に騒ぐ奴がクラスに一人は居ましたが、
皆そんな感じです。実際に本気で追ってるのはピンクの人だけです。





「‥スヤスヤ…う〜ん‥ママぁ…」



皆でアリカちゃんを追いかけて学園中がパニックになっている頃、
一人の少女が芝生でお昼寝をしていました。
ポカポカ陽気でそよ風が吹き抜ける中、幸せな夢に浸ります。




「はぁはぁ・・・じ、自分で自分を褒めてあげたい!」



追っ手を撒きながら逃げるアリカちゃん。
その逃亡っぷりにはリチャード・キンブル医師もビックリ!
無駄に電車の上に乗ったりしながらここまで逃げてきました。(頭の中では)





「むにゃむにゃ…はひっ、ふ、藤乃ぉ!!?…う〜ん‥誰かぁ〜…」



そんな中、幸せな夢から一転して悪夢にうなされる少女。
誰かの名前を口にしていますが、その名を言った瞬間身体がビクッ!となりました。
本のせいで怯える彼女の顔は確認できませんが、
寝ながらにして泣きべそを掻き始めたことから相当な悪夢である事が予想されます。





「はぁはぁ・・」
「嫌ァァァァァァァァ!!!!」


「やっと‥やっとゴールあ痛ぁーーー!!!」



酸欠でふらつきながらも必死で逃げていたアリカちゃんでしたが、
ゴールテープ目前で目の前に差し出された足に躓き、盛大に転んでしまいました。
その転びっぷりは凄まじく、これがオリンピックだったら恐らく歴史に残ったことでしょう。

(マラソンランナー抱きつき魔みたいに。)





「・・はぁ・・はぁ・・・ゆ、夢・・?」



コケたアリカちゃんの騒音のおかげで、
ようやく悪夢から開放されたジュリエット・ナオ・チャン
(三女)
あやかしに奪われかけた貞操も無事守られました。(夢の中でのお話しです)
それはともかく、アリカちゃんが何も無い所であまりにも良いコケっぷりをしていたため、
見たままでしかない事を思わず素で訊いてしまいました。
「何やってんのアンタ…バッカじゃないの?」(本人に自分が原因という自覚はありません。)




「あ、あの、アタシ審議会を探してるんです!」
「審議会?・・・議事堂の事?」
「ピンポン大正解ー!特別ボーナスのスーパー仁君で2ポイントをプレゼントー!!」
「ス、スーパ・・・えっ?」




そんなナオお姉さんに、聞かれても居ない自分の目的をカミングアウトしたアリカちゃん。
取り敢えず前回から色々とカミングアウトし過ぎです。

しかし今回はそれが功を奏し、貴重な情報を入手する事に成功しました。
そのお礼にと特別に2ポイントもあげたので、

思わぬサービスにナオお姉さんもちょっと戸惑い気味です。




「そ、それであの‥その議事堂なんですが…」
「あー、あのコンパニオン学園長の居る場所?それなら…」




「この人ならいけるかもしれない!」
そう思ったアリカちゃんがさらに情報を聞き出そうとすると、

「ご利用は計画的にーーーっ!!」という声とともにさっきの闇金業者(似)の人(主に顔)が現れました。




「・・ぜはぁ・・ぜはぁ・・・ご、ご利用・・・ご利用は・・計画的にぃ・・・!!」



主に息切れで鼻息荒く登場した彼女は、
アリカちゃんがこの辺に逃げ込んだはずだと推測して一人ここまでやって来たのでした。
その目は完全に獲物を狙うハンターのモノです。
関係ないですが、なんで富樫先生は漫画を描かないのでしょうか?
そんなピンクの人とナオお姉さんの間に飛び散る火花。
犬猿の中であるニ人が、今ここにアリカちゃんを巡って
心理攻撃王決定戦を開始しました!



<第1ラウンド>




「はぁ〜い、ジュリエット。ご利用は計画的にぃ〜♪」



ピンクの人の先制攻撃。先手必勝を狙います。




「はぁい、渦巻き。可愛いCMで釣るのも良いけど、取立ては程々に〜♪」
「ブーーッ!!」




見事に返り討ち。流石はナオお姉さん、痛い所を付いてきます。



<第2ラウンド>




「この辺に逃げ込んだ、貴女によく似た無計画な不審者を探してるの。
ご利用は計画的にぃ〜♪」




続く第2ラウンド。
またしてもピンクの人の先制攻撃が炸裂します!抉り取れ、敵の心!





「確かにアタシもそれなりの計画は持ってるつもりだけど、
緻密に編み込まれたアンタのドリルヘアーの計画性には敵わないわね。」
「ブーーッ!!」




清々しいほどの返り討ち。見事なほどに心を抉り取られます。
ドリルピンク、やや劣勢か?(ちなみにドリルレッドとかは居ません)





「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」



その頃の学園長。
これからこの議事堂にて審議会を開き、各国の代表達を相手に熱い議論合戦を始めるので、
そのためのマイクテストには余念がありません。
パッと見アレですが、別に舞台上で反省文を読まされているとかではありません。




「此度の議題は一体何なんでしょうなぁ?」
(うわっ、こいつダッセー眼帯。夏候惇気取りかよ!?)



「やはり『第一回人気投票で私が3位!?改竄だろ!事件』についてでしょうか?」
(三国無双やりすぎなんだよ。どうせ□ボタンへにょへにょなんだろ?)



いよいよ始まる審議会を前に、遠足出発前に教室に集められた生徒達のように浮かれる代表達。
「今日は何の議題かな?」「学園長が2位までに入らなかった事に関する不服申し立てかな?」
これから始まるであろう楽しい審議に、胸を躍らせ気分も盛り上がります。





「何でも出来ちゃうバット エスカリボルグ〜♪」



そんな代表達をよそにノリノリの学園長。
「私はスター。そう‥私は今、紅白の小林幸子なみに輝いている!」とか言いながら歌っています。




「魔法の擬音で人生やり直してあげる〜♪」



さらに続く学園長のマイクテストライブ。




(流石はうちのナツキ。魂持ってかれそうな歌声やわ…。)



その歌声に、背後のぶぶ様も目を閉じて聞き惚れます。




(・・・・・・。)(・・・・・・。)



しかしそんなぶぶ様とはうって変わり、少々困惑気味の代表達。
一体いつまで続くんだこのマイクテスト…?





「イヤよだめよこんなのバカバカ〜♪」


(ど、どんなのどすか!?(はぁはぁ))



まだまだ続くライブ。その歌詞のきわどい表現にぶぶ様も大興奮!




「そんなにギラギラしないで お願いだから〜♪ えいっ!」


(ナ、ナツキのお願いなら何でも聞きますえ!!(はぁはぁ))


「撲殺天使 血しぶきドクドク ドクロちゃん♪」


「撲殺天使 心臓ドクドク ドクロちゃん♪」



私はアイドル。サービス命!
そんな学園長は2カメに対するさり気ない流し目でアピールする事も忘れません。





「踏んで縛って叩いて 蹴ってじらして吊るして〜♪」


「でもそれってボクの「愛」なの〜♪」


(さらにノリノリで歌い出した!?)
(「ボク」って言った。ちょっと萌え。)



間近で学園長の歌声を聴く代表達の精神汚染が進みます。




「うわ〜ん、議事堂って一体何処なのよぉ〜!」



その頃のアリカちゃん。
あの場からは何とか逃げ出したものの、結局議事堂の場所は分からずじまいだったため、
闇雲に探している内に再び見つかって追われる羽目になってしまいました。

学び舎に響き渡る華麗な旋律
に乗って、アリカちゃんの足音がダンスを踊ります。



撲殺天使〜


バットでドスドス


ドクロちゃん♪




撲殺天使〜


血みどろ


どろどろ


ドクロちゃん♪




斬って殴って嬲って〜


刺して晒して垂らして〜




でもそれってボクの「愛」なの〜♪





「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」




「…オ、オホンッ!ご清聴ありがとうございました。」



一体いつまで続くのかと思われた学園長のマイクテストライブですが、
結局一番を全て歌い切ったところでようやく区切りが付きました。
ちなみに、あまりの美声にぶぶ様は立ったままで失神寸前です。





(や、やっと終わったか。長かった…。)
(しかし、何故一番全てを歌いきる必要が…?)



様々な疑問や腑に落ちない点は多々あるものの、
ようやく始まる審議会に各国の代表も気を引き締め直します。
さぁ、どんな議題でも来るがいい!その全てにおいてコチラに有利になるように差し向けてやろう!





「では、リハーサルも終わったところで、
これよりマイクテストの本番行きます!」




――!!?



思い掛けないまさかの展開に固まる一同。ショックを隠せません!
そんな代表達を他所に再び歌いだす学園長。
マクロスシリーズでも十分やっていけそうなその歌声は、最早誰にも止められません。
私の歌を聴けぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!




「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」


(・・・・・・。)



「何でも出来ちゃうバット エスカリボルグ〜♪」


(・・・・・・。)


「・・・・・」

(・・・)
















「ではこれより、ガルデローベ審議会を始めます。」


(よ、ようやく始まったか‥。)
(なんかエライ疲れたな…。)



学園長が満足したことでようやく始まったガルデローベ審議会。
結局テストと称して3回ほど歌を聴かされましたが、今度こそ真面目な審議の始まりです。
議題は『ニナちゃんの仮契約』と『アリカちゃんの中途入学』、
そしてマシロちゃんの城である『風華宮の破壊』についての3件です。





「…アリカという少女を中途入学させます!」


「審議しないで結論言った!?」
「なんじゃそら!?」




審議会なのに審議をしないでいきなり結論を言い出した学園長。
クラスで班を作っても一人で勝手に決めちゃうタイプです。
またしても訪れた予想外の展開に、
「っつーか俺ら、集まった意味なくね?」と、代表達もざわつきます。





「異議あり!!」



そこに颯爽と現れたのはマシロちゃん。
さっきまでやっていた逆転裁判のセリフをパクって、元気よく反対の意を示します。
ちなみに逆転できなかったため、ソフトはDSごと粉砕して捨ててしまいました。
その所為でちょっとご機嫌ナナメです。





「マシロ姫といえど審議の結果は…」



しかし、たとえ一国の姫といえども、
各国の代表達が皆で審議して決めた事を覆す事は出来ません。
まぁ実際には審議していないのですが…。




「絶対や〜!!」



そんなことは関係ないとばかりに駄々をこねるマシロちゃん。
誰もそんなことは言ってないのに、
「ニナが悪いのじゃ!そこに居るニナが悪いのじゃ!」と叫び、
取り敢えず今回の事件に関する自分の責任を否定します。





「な、なんの事でしょうか?」
「いえ、私にもサッパリ…。」



代表達も訳が分からず戸惑っています。




「えぇい、一体何のことか分からんぞ!説明しろ説明!」
「そうだそうだ!何でコイツは夏候惇なんだ!?」


「・・・はっ?」
「あ、いや‥な、何でもないです。」


「大体アリカって誰なんだ!」
「そうだそうだ!蟻かっつーの!」



「・・・はっ?」
「あ、いや‥な、何でもないです。」



今度は怒り出す代表達。
戸惑ったり怒ったりショック受けたり、この人達もさっきから大変です。





「お願いです。アタシをこの学校に入れて下さい!!!」



そんな時、ちょうど当事者のアリカちゃんが現れて入学させて欲しいとお願いし出します。
これまででも十分サプライズだらけだったというのにお前はさらにサプライズを持ち込む気なのか!?っつーかお前誰だ!!?
代表達も(主に歌の)ストレスからか、怒り狂います。




「ユメミヤ・アリカです!!」


「お前がアリカか?何だその名前は!蟻かっつーの!」


「・・・オイッ。」
「あっ、すいません。一度言ってみたくて…。」



ですが、そんな代表達のキツイ言葉にもめげず自分の名前を言い切ったアリカちゃん。
行動自体はアレですが、その堂々とした態度には好感が持てます。
ですが、代表達にとってはそんなことはヨーロッパでエルニーニョが発生した時ぐらいどうでもいい事。
学園長が押している子だからとはいえ、毎年多くの子が涙を呑むガルデローベへの入学において、
中途入学などというのは未だかつてあった例もなく、オマケに
いくら深夜枠とはいえ布きれ一枚での登場。
その様子には清く正しく美しくというオトメの理念の欠片も無く、むしろゲレゲレに近い為、
代表達は口を揃えて反対します。
「獣はダメだ!」




「やっほーマシロちゃ〜ん!お久〜!
あっ、お久とお灸ってちょっと似てるねwww」




そんな皆に学園長が審議の結果だからと必死で正当性を唱えていたものの、
「実際には審議してないしなぁ…。」という意見により入学が取り消されそうになっていた主人公のアリカちゃんでしたが、
そこに一人の救世主が現れました。
彼の名はナギ・ダイ・アルタイ。アルタイ公国の大公です。
そのナギは、アリカちゃんの入学に反対するガルデローベ審議会の代表達に対し、
「面白いから入れてあげれば?」と、よく分からない理由でアリカちゃんを入学させてあげようよと言い出します。




「で・・で・・デデンデ、デンデンデン殿下!?」



ナギ殿下の言葉に動揺する代表達でしたが、最も驚いたのは直属の部下であるセルゲイでした。




「な、何故ゆえここに!?お着きになるのは明日でござろう?」



セルゲイの狼狽ぶりは激しく、
思わず右手前の自分の椅子から今の位置までジャンプしてしまいました。
照れたセルゲイは
「べ、別に動揺なんてしてないよ?」と弁解しましたが、
少しばかり椅子から離れすぎました。
驚かずにひとっ飛びするにはこの距離は遠すぎます。ピョン吉が付いてても無理です。
そんなセルゲイは無視して他の代表達は口を揃えます。
「そもそも今回の事件にはアルタイ出身のニナ・ウォンが絡んでいるため、
そのアルタイの大公であるナギ殿下は口を慎むべきだ
!」と。




「そうだ、舞闘にしよう。」



そんな言葉は完全シカッティングで、ナギは全く黙らず喋ります。
最近の子は人の言うことを聞きません。学校の先生は大変ですね。
学園長と代表達とで全く意見が分かれてしまい、このままではいつまでも決まりそうに無いため、
ならその間を取って当事者達に決めて貰おうという事になりました。
マシロちゃんの即位式の余興として
アリカちゃんとニナちゃんの二人が舞闘をし、
勝った方が学園に残る、負けた方が去る。
これで全ての事は万々歳!という訳です。
(ノリで風華宮の破壊の件が忘れられてるのは内緒です)




「私、あなたには絶対に負けないわ!」


「ア、アタシだって絶対オトメになるんだから!!」



両者ともにやる気は十分。
そのやる気の前には、審議会のメンバーがわざわざ集まった意味など吹き飛んでしまいました。






次回へ続く。










ちなみにその頃のこの二人。未だに延々と闘っていました…。



<第47ラウンド>




「はぁ〜い、ジュリエット。貴女の制服ちょっと趣味悪くないかしら?
ご利用は計画的にぃ〜♪」



「ホントね。アンタと同じじゃそう言われても仕方ないわ。」
「ブーーッ!!」



<第48ラウンド>



「はぁ〜い、ジュリエット。貴女、草の上でも寝れるんですって?
お下品なのね。ご利用は計画的にぃ〜♪」



「周りの人気が気になって眠れないアンタよりはマシ。
隈は特に関係ないけど顔が凄いことになってるわよ?」
「ブーーッ!!」


<・・・>


「・・・・・・。」

「・・・・・・。」
「・・・。」