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07:10:16


はい、そんな訳で早くもやって来た第二回、
最近激減した訪問者数に「ビクビクン!」とヤバ気な薬でもキマった感じで怯え震える管理人が、
お空に瞬く星さんにそっと手を組んでお願いする少女のように起死回生を願ってお届けするネタレビュー
灼眼のシャナU〜ツンデレビュー〜のお時間がやってまいりました。
本編のOPが第一回よりもちょっぴり長くなりましたね。しかしそんな事とは関係なく、
前フリを書きつつ辞書登録しといたはずなのに“癪癌”と変換された辺りから、
このレビューには既にグダグダ感が漂います。
確かに癌は癪だと思いますが、諦めないことが最高の治療法なのです。挫けてはいけないのです!
「俺はお前のそんな精神論を聞きに来たんじゃねーんだよ!早くシャナたんを見せやがれ!」
みたいな声が聞こえる気がするので、早速行こうと思います。



「・・急に押し掛けてごめん、千草。」
「ふふ・・いいのよ。お弁当の作り方なんて、
悠ちゃんみたいな男の子が相手じゃ、
あんまり教える機会なんて無いから。」


前回のラストで、吉田さんと悠二を巡る争奪戦U(←セカンドだけに)を勃発させたシャナさんは、
あの後の学校で悠二が吉田さん手製のお弁当を貰い、
尚且つ、その美味しさに心奪われていたのを目撃したため、何とか対抗しようと、
自分も悠二のお母さんである千草(チグサ)さんにお願いして、
悠二にあげるお弁当を作るための練習をすることにしたのであった。


「でもシャナちゃん、カルメルさんに頼めば、
いつでも好きなときに練習できるんじゃないの?
それにカルメルさんも喜ぶと思うけど・・・。」


――と、着々と料理の準備をしているシャナさんに対し、
千草さんは素朴な疑問をぶつけてきます。するとシャナさんは、


「本来であれば、料理など私(ワタクシ)が・・・。」
「いいからぁ〜!もう帰って〜!
どうせヴィルヘルミナじゃ、
レトルトか爆発した後に残る食品だった何か、
しか作れないでしょ!」

「そ、それは確かにそうなのでありますが・・・。」

此処に来る時に起きた問答を思い出し、
だってヴィルヘルミナの作る料理って基本的にレトルトなの。
それに、稀に出てくる手料理はいっつもまっくろくろすけで、
ダンボール以上の危険な何かが含まれてそうなんだもん。日本産なのに中国製なんだもん!
――っと伝えると、そのまま千草さんに教えて貰うことにするのであった。


そんな自動中国産料理製造機ことヴィルヘルミナさん。

――に、若干八つ当たり気味にシバかれる悠二の図。

今朝はシャナさんがお弁当を作ることにしたので、シャナさんの代わりに、
ヴィルヘルミナさんが悠二の日課である朝錬を引き受けていたのであった。
ちなみに、鍛錬の目的は悠二に存在の力の使い方を教えることであって、
決して悠二という存在を殺すことが目的ではありません。



「何で私ではダメなのでありますか?」

「・・へっ!?」


「何で私ではダメなのでありますか!?」


「え?あ、いやあの・・しゅ、主語を言ってくれないと・・・。」

ゴキッ、ゴキンッ!

「ひぇぇぇぇぇ!!?」

しかし、シャナさんの頼った相手が自分ではなく千草さんだったことに苛立ちを隠せないヴィルヘルミナさん。
普通に考えるとヴィルヘルミナさん好きのオタクでもない限りは、
100人中100人が千草さんの方に頼る
と思うのですが、生憎ヴィルヘルミナさんは、
フレイムヘイズとしてのシャナさんの気持ちを惑わせる悠二のことを快く思っていないため、
シャナさん大好きっ娘である自分の障害にならないようにするため、
直接的には今回の事とは全く関係ないけど、
これを機に、このまま悠二を抹殺することに決めるのであった。


ギリギリ・・・ッ!
「ぐっ・・あ、がぁ・・・!?」

そして捕まった悠二。空中でぐるぐる巻きの格好で磔にされ、
そのまま強烈な力で締め付けられて失神しそうになるのであった。


カァァァァァッ!!!

――っとその時、突如として悠二の中から大量の存在の力が溢れ出し、
それがヴィルヘルミナさんの使う火影の魔道具「式紙」を焼き払い、
悠二は一命を取り留めるのであった。ヴィルヘルミナさんの悠二抹殺計画、失敗です。
そして、計画が失敗に終わってちょっと残念そうな顔をしているヴィルヘルミナさんを見て、
「もしや?」と、不審に思ったアラストールがさり気なくツッコミを入れてきます。


「どうしたのだ万条の仕手?
いくらミステスを鍛えるためとはいえ、
きちんと手加減して相手をするというのが、
この鍛錬でのルールであろう?
もし最低限のルールも守れないのであれば、
ボクシングで投げを使った亀田家と同じになってしまうのだぞ?」


「そんなつもりは毛頭無いのであります。
それに、そもそも投げ技など使っていない上に、
あの試合のアレは立派な右ストレートなのであります。
だから、これは言ってみれば、
亀田家のボクシング用語なのであります。
「全力で襲う」と言う反則行為も、
「ミステスのために」という立派な理念に強制変換されるのであります。」


それに対し、ミエミエの嘘を付くヴィルヘルミナさん。
苦し紛れとはいえ、世界中探しても誰もつきそうに無いほどの嘘をついてしまうのであった。


「なんと!そうであったのか・・・。
ということは、巷でタックルと言われている頭突きも、
実際には左フックとかであったのだな!?」


しかし騙されたアラストール。
アラストールに叱咤されるであろうヴィルヘルミナさんを予想して、
「よしよし、僕の所へおいで。慰めてあげるよ。カモンベイベー!」
などとテレビの前で不気味に独り言を呟いていた視聴者達の期待を裏切ります。


「流石は天壌の劫火、その通りなのであります。
ちなみに、アレは左アッパーだったのであります。」


「むぅ〜・・なかなかに奥が深いものであったのだな。
いや、すまなかった。どうやら我が勘違いしておったようだ。」


そして、さらに丸め込まれるアラストール。
あからさまな嘘に騙されていることに気付かないどころか、
これからもこの調子でビシビシと頼むぞ!?
なんて事を言って、「何言ってんだよ、嘘に決まってんだろ!」
――っと、騒ぐ悠二を他所に、一人満足げに頷くのであった。


「馬鹿決定。」




ガシャコン、ウィーン!ガシャコン、ウィーン!

「我等、栄えあるバル・マスケが仮住まいとは・・、
まったく、情けないねぇ〜・・・。」

(家賃は平気・・なんだろうな?)

一方その頃、仮装舞踏会(バル・マスケ)の幹部の三柱臣(トリニティ)である、
ベルペオルさん(左)とシュドナイさん(右)の二人は、
壊された星黎殿の修復が完了するまでの間、
近くに建てたどう考えてもサラリーマンでは一生辿り着くことのできないプレハブ小屋で、
かれこれ三時間前からずっと、前作における敗北の原因を話し合っていたのであった。
ちなみにトリニティというのは、FF6で言うところの三闘神、
一騎当千DDで言うところの三柱神、スパロボFで言うところのロフ・ゼブ・セティ、
Fateで言うところのセイバー・凛・桜に当たる、
敢えて言うなら種デスのキラ・アスラン・ラクス的ポジションにいる人物達のことです。



「天壌の劫火が顕現したのは痛かったからねぇ・・。」
(確かにな・・・)

「だが――」ギシッ・・。
「でも一番の原因は、ヘカテーのことかねぇ?」

「むぅ・・・。」ギィ・・。
「アレは流石に予想外だったしねぇ・・。
まさかミステス如きに、
ヘカテーがあそこまで動揺させられるとは思わなかったよ・・。」


「俺のヘカt――」ギシッ・・。
「それに加えるなら、戦力を分散したのも痛かったのかねぇ?」

「むぅ・・・。」ギィ・・。
「でもあの場合はヘカテーを除けば三対三だったし、
探耽求究(タンタンキュウキュウ)の戦法自体は良かったんだけど、
何であの馬鹿は装置を外に置いちまったのかねぇ?
そこが一番の謎だねぇ・・・?」


しかし、ベルペオルさんのマシンガントークが止まらない為、
色々と言いたい意見もあるのになかなか喋らせてもらえないシュドナイさん。
話し合いと言うよりはベルペオルさんの演説会になってる状態に、
なんだよ、このババア。俺にも少しは喋らせろよ。
第二話にして登場してるってのに、何で第一話から出てたお前しか喋ってねーんだよ!?
――っと、若干イラ立つのであった。でも何とかして自分も喋りたいシュドナイさんは、
立ち上がることで話すキッカケを掴もうと何度も頑張るのですが、
結局はその立ち上がるキッカケすらも潰されてしまうので、
未だ一言も話せていないのです。シュドナイさんの苦労は続きます。


キーンコーンカーンコーン・・・。
「よし、早く悠二に!」

「あ、坂井くん!」

「今日はサンドウィッチにしてみたの。
良かったら食べて。」

「あ、ありがとう・・。
吉田さんて、“ウィッチ”の発音が本格的だね。」


(むっ!)

一方コチラは御崎高校のお昼休み。
お昼のチャイムが鳴ったと同時にシャナさんが手作りのお弁当を悠二に渡そうと決意していると、
それよりも一足早く、吉田さんが悠二にナイス発音でお弁当を渡してしまったため、
何なのよあの女は!悠二には私がお弁当を作ってきてるんだからアイツの弁当はいらないのに、
何でさも当然のように渡してるのよ!?吉田和美、邪魔!アイツに悠二は絶対に渡さないんだから!
――っと、シャナさんは内心怒り狂い、不機嫌爆発な顔になるのであった。


(私だって・・頑張ったんだから・・!)

しかし、何とかして自分の分も渡したいシャナさん。
悠二へのお弁当が入った鞄というか面積的にそれしか入れられそうになかったような、
じゃあ教科書とかはどうしたんだよ?アライグマ可愛いな。
みたいな感じの疑問その他を視聴者に抱かせるような鞄
をギュッと抱きしめると、
私だって朝早くから千草に教えてもらって、悠二の為に頑張って作ったんだもん。
だから……悠二に食べて欲しい!
――っと心の中で思い、溢れ出る恥ずかしさを堪えて、


「ハイ、悠二!これあげる!」

――と言って、若干無愛想になりながらも、
頑張って悠二にお弁当を渡すことに成功するのであった。


「えっ・・シャナの!?」

しかし、ちょっと不安げな顔をして戸惑う悠二。
え?これってシャナから僕へのお弁当だよね?――とは思いつつも、
シャナが作ったように見せかけておいて実は母さんが作ったのを届けただけ、とかじゃあないよね?
あと、万一の可能性で考えれば郵便爆弾みたいなことも考えられるけど、
幾ら何でも、まだ二期も始まったばかりだってのにいきなり爆破されたりなんて展開は考えにくいよね?
――っと、一瞬にして走馬灯のような速度であらゆるネガティブ的思考が頭を駆け巡るのであった。
全国の視聴者が一斉に殺意を覚えます。


パカッ!

ボンッ!ボボンッ!!

「――うっ!?!」

そして開かれたナイトメア。
前回の紅世の王の夢が爽やかに見えてくるほどの絶望とある種の清々しさが、
そのたかだか10数センチの箱の中に詰まり、入り乱れていたのであった。


「あぁ、助けてメロンパンナちゃん・・・
お弁当星人が、お弁当星人が街を破壊してるんだ・・・。」

「坂井くん・・・。」「悠二・・・。」

そして崩壊した悠二の心。
シャナさんの手作り(?)弁当と吉田さんのお弁当を両方完食した悠二は、
お腹の中でかつてない日本海の荒波が息吹くのを感じ、耐えに耐えたものの、
その圧倒的で人工的な自然の力の前には意識を失ってしまうのであった。
その夢の内容からも精神崩壊の度合いが窺い知れます。カミーユさんの比ではありません。
しかし、そんな悠二の様子を見た元凶の二人は、
精神崩壊した悠二を他所に、そのまま保健室で言い争いを始めてしまうのであった。


「分かってるでしょ?!悠二が倒れたのは、
お前の料理に問題があるのよ!」


悠二が倒れた原因は吉田さんの料理にあると言って、
今後の吉田さんのお弁当作戦を中止させようとするシャナさん。
本当は両方を無理して食べたからいけなかったのですが、
そういう事にして議論を有利に進めようとします。


「そう・・・なのかな・・・。」

その言葉に「そりゃ隠し味にリポビタンDとか色々入れてみたけど…でも…。」っと、
ちょっと罪を認めつつ疑問も抱いていたのですが、
完全に言い切られたことでちょっと怯んでしまう吉田さん。
そしてフレイムヘイズとして鍛えた洞察力でそんな吉田さんの隙を見抜いたシャナさんは、
トドメの一言を吉田さんに向かって言い放つのであった。


「だいたいお前の弁当、量が多すぎるのよ!!」

「えぇぇぇ!?それゆかりちゃんが言うのォォォ!!?」

幾ら吉田さんの所為にしたいとはいえ、あまりの言い掛かりに対し動揺を隠せない吉田さん。
動揺しすぎて、思わず突っ込んでしまいます。


「・・・・・。」

しかし、実際に倒れている悠二を前に、もしかしたら私のお弁当も少し多かったのかも…。
そりゃ確かに私のお弁当自体は一人前だったし、坂井くんも喜んでくれてた(と思う)けど、
まさか坂井くんが二人前も食べることになるとは思わなかったし…、
そしたらやっぱり、一人前じゃ多い…よね……?
――っと、明らかにいらない責任を背負う方向にまで考え込んでしまい、
その、自分の所為で坂井くんが…というショックのあまり、
吉田さんは目がちょっと寄り目になってしまうのであった。
っと、そんな時――


ガィィィィンッ!

「――封絶!?」

吉田さんの目が寄り目になったのが原因か、
突如として街の中に封絶が張られるのであった。
それまでまったくなんの気配も無かった事に驚くシャナさん。そんなシャナさんの横で、
シャナさんに「でも私は坂井くんが好きだから、これからもお弁当を作ってきます!」
と、悠二にこれからも地獄を見させます宣言をしていた吉田さんも、
わ、私の所為かな…?っと、ちょっと不安げな顔になっています。



そんな吉田さんを保健室に残し、
無理やり且ついきなり起こされて「はひっ!?ごめんメロンパンナちゃん!」っと、
何処となくメロンパンナちゃんに怯えていた悠二を連れ、
炎の翼をはためかせながらその封絶の中へと突入したシャナさん。
早速周囲の様子を調べます。


パチパチ・・・パチパチ・・・。

しかし、突入した所までは良かったものの、突入した封絶の中には特に徒達の気配はなく、
「ちょっと悠二…これどーいう事!?」「え?どーいう事って…?」
「どーいう事?って、悠二が私を引っ掛けようとしてドッキリを仕掛けたんでしょ?
そうなんでしょ!?覚悟は出来てるんでしょうね!!?」
「えーっ!?そんなこと言われても僕だって知らないよ!」
「うるいさいうるさいうるさい!悠二がやったに決まってるでしょ!私が失敗する訳ないじゃない!
何も居ない封絶の中に飛び込むなんて間抜けなまね、普通に考えて私がする訳ないじゃない!」
「そんな、言い掛かりだよ!」
――っと、失敗を誤魔化したいシャナさんの照れ隠しによって、悠二は在らぬ罪を着せられてしまうのであった。


「でもシャナ、待って!これおかしいよ!」

しかし、そんな中でとあることに気付く悠二。
シャナ、変だ。この燃えてるヤツはミサゴ祭りで使うヤツだけど、
今は九月、ミサゴ祭りは八月。Do you understand? It's ok mandamu?


「何よく分からない言葉喋ってんのよ!?
悠二、英語の成績悪すぎ!あと発音も。」

「うっ・・!」

本来八月に行われるはずの行事が、何故九月の今に此処で行われているのか?
「自治会の人が間違えたんじゃない?」っと、このことに対してそう呟くシャナさんを他所に、
悠二は再び、どこか、何とも言えない既視感を覚え、頭痛を訴えるのであった。


ごぅん・・・ごぅん・・・!
「なに、この音?」

――っと、その時!


「・・・・・。」「アレは・・・!」

突如として轟音が響き、何の前触れもなく二人の前に巨大な飛行船が姿を現すのであった。


シャラーン・・!

そして辺りに響き渡る鈴の音。
悠二は再び何かを思い出しそうな感覚に襲われ、その頭痛に頭を抱えるのであった。


「コレと全く同じこと、前にもあった気がする・・。」

しかし、今回はシャナさんの方が、
悠二、コレなんかオカシイ!以前にも何処かでこの光景を見た気がする。多分、夢とかデジャブじゃない!
上手く言えないけど…何か妙な現実感を持った記憶として覚えてる気がする!
――っと、先にこの異常な事態に感づき始めるのであった。


「――夢?記憶?・・・はっ!
そうか、コレは以前と同じ夢の世界、
ダズニーランドだ!」


そして、そんなシャナさんの言葉をヒントに、
悠二は、何故か忘れていた第一話での記憶を思い出すのであった。
すると、以前の様にその場に作り出されていた飛行船やミサゴ祭りの飾りは砕け散ったものの、
何故か今回は夢自体は醒めず、二人はこの世界に留まり続けてしまうのであった。
その事態にフト疑惑を持った悠二は、シャナさんに近寄って「ちょっとゴメン」と言うと、
とあることを行動に移します。


むぎゅぎゅぎゅう〜〜!!!
「ひだだだぁぁぁ?!?!ひだいひだいっ!!」

「あっ、すいません。そうですよね、痛いですよね。
でも、前回は夢の世界に居た僕が目覚めたら夢が醒めたんで、
今回はてっきりシャナさんが、
未だ目覚めてらっしゃらないのかと思いまして・・・。」


「あっ、そうでしたか。なるほどね・・・」

「――って、痛いじゃないっ!!」メゴッ!

ゴリッ!ゴギュルッ!!

「ご・・ごもっともで・・!」「トドメよ!」
「ま、待つのだ!ここでミステスを破壊しては、
今後のシナリオに影響が・・・!」


そしてシャナさんがちゃんと目覚めていたことを確認した悠二。
どっちかって言うと、後先考えずにシャナさんにそんなことをしてしまった悠二の方が、
まだ夢から醒めていなさそう
な気もするのですが、取り敢えず、
今回はシャナさんも一緒に居てくれたという事実に、悠二は安堵を覚えるのであった。


「吉田さん!」

そして、河川敷から学校へと戻ってきた二人。
実は、この知っている事しか起こらない、過去に起こった事しか起こらない世界において、
保健室でこの封絶が張られたのが見えた時、
二人が外へ飛び出そうとしたのを見て吉田さんが「私も一緒に…」と言い掛けたのですが、
過去にそういう事が起こった事はなく、
その事から吉田さんも既に夢の世界に引きずり込まれていた事に気付いた二人は、
この世界から抜け出す為に、未だ眠り続けているであろう吉田さんを起こそうと、
学校まで戻ってきたのであった。





「ウフフフ・・・。」

「やっはぁ〜!」

そこで、変な置物(前衛芸術)に磔にされて眠っている吉田さんを起こす為に悠二が駆け寄ろうとすると、
突如として変なピエロが現れ、いきなり二人の前で踊ったり手品をし始めたりするのであった。
しかし、「磔の眠り姫…萌えるぜ!」とか思っている悠二は吉田さんのスカートの中に釘付けなので、
正直、変なピエロとかはどうでもいい
とばかりにシカトを決め込んでいます。


バチュチュ、バチュチュチュ、バチュチュチュンッ!!!

そんな悠二の態度にムカついたのか、突如として宝具を使って攻撃してくる変なピエロ。
色々とウザイ感じのポーズを取って攻撃してくるのと、
一人称が「私」なオカマ言葉を使ってくる辺りに、全国の視聴者達が一斉にイラッとし始めます。

そんなオカマピエロに対し、持っている宝具からこのオカマが前回のオヤシロ様と同じ奴であることを見抜いた悠二が、
その事をシャナさんに告げ、そしてシャナさんが「また殺されに来るなんて馬鹿な奴…w」と、
挑発するかのように言っていると、


「あらそうかしら?確かに私の力自体は小さいけど、
でも、この夢の中では私に出来ない事は無いのよ?」


昨日のも私が宝具に取り付いてあの分身を作ったんだし、凄いでしょ?――っと、
オカマピエロは前回のオヤシロ様の姿だった時と同じ様に余裕綽々な態度で、
空中から二人を見下ろして不敵に微笑むのであった。
そんな見た目と言葉遣いと言動を前に、
ふざけるな!だったら今すぐ前回のオヤシロ様の姿(ゴスロリ)に戻れ、馬鹿野郎!
――っと、一斉に全国のオタク達が深夜の住宅街で怒りの声を轟かせます。


ガィィィンガィィィン・・・!

「・・・・・。」

ジャラ・・ジャキーンッ!

「ちょっくら、相手をしてもらおうか?」

すると、そんなオタク達の声に導かれたのか、突如としてこの夢の世界に、
先程までシュドナイさん相手に演説会を開いていたはずの、
バル・マスケ、トリニティが一人、逆理の裁者ことベルペオルさんが現れ、
シャナさんに向かって戦いを挑んでくるのであった。そして始まる二人のバトル。
ベルペオルさんが好きなため、管理人のテンションもそれにつられてヒートアップしてゆきます。


ガギィィィンッ!!

ギリギリッ!「・・・・・。」

「フッ・・!」

「そら、いつまでもボーっとしてるんじゃないよ!」

バヒューンッ!「――くっ!?」

ズドンッ!!!

「ぐっ・・・あ、がは・・・っ!?」

ギュウンッ!

ギュイ〜ンッ!

ガチーンッ!!「うぁぁぁっ!?」

ズダンッ!!
「かっ・・・ぁ・・っ!?」


「ぁ・・はぁっ・・・ぐっ!」

「ほらほら、どうしたんだい?
しっかりしないと早々にくたばっちまうよ!?」


「はぁ・・はぁ・・こいつ、強い!」
「うむ、決して侮ることはできぬ相手だぞ!」


しかし、最初こそ良い闘いになるかと思われたものの、
バル・マスケを率いる三幹部が一人であるベルペオルさんの前には、
流石のシャナさんも大苦戦。一方的にやられ始めます。


「ぐあぁぁ!?」

そんなシャナさんを他所に、悠二の方は、
この夢から抜け出すために吉田さんを起こそうと前衛芸術を登り始めます。
しかし、コッチはコッチでオカマピエロが妨害してくるためになかなか進めず、
悠二自身は、以前変態狩人フリアグネからパクッた炎を無効化する宝具のお陰で無傷なものの、
一転して、マズイ状況が変わらないことには違いないのであった。


「はぁっ!」ドンッ!

「オカマバリアー!」バフン・・・。

「そんなっ!」

しかし、この状況を打開するためにはどうしても吉田さんを起こす必要があるため、
悠二を援護しようとベルペオルさんの隙を突いてシャナさんがオカマに炎弾を飛ばしたのですが、
オカマの方はその攻撃を喰らっても全く持って意に介さず、
まるで端から何も来なかったかのように、余裕でその場に佇むのであった。


「あのオカマ・・・何であんなにウザイんだ!?」

それは多分、ムカつく顔なのに自信満々で態度がでかいからだと思います。
しかしその時、ついに自分で自分をオカマと言い出したオカマの様子を見た悠二が何かに感付きます。
オカシイ…確かにあのオカマがオカシイってことは世界共通の認識だけど、
たとえ夢の中だからってシャナの攻撃を喰らっても傷一つ付かないなんて、
それを言ったら何かこぅ、設定的な矛盾が生じちゃいそうな気もするけど、
幾ら何でもやっぱりオカシイ!まるでそこには本体が居ないような――っ!!


「なかなか勘が良いみたいだけど・・・、
残念、もう手遅れよ!」


ガシャンッ!「くっ!?」
「アナタはすぐには動けないし、
私の手はもう零時迷子に届く!」


悠二が気付いた通り、空中に居たオカマは前回のオヤシロ様と同じ本体の作り出した分身であり、
本体そのものは別に居たのですが、気付いた時には時既に遅し。
本体は既に悠二の体内に侵入しており、その中に眠る零時迷子を奪取しようとしていたのであった。


「ぐっ・・あ、あぁ・・・。」
「悠二!しっかりして、悠二ッ!」

「なん・・だ、これ・・・
僕が僕じゃなくなるような・・・
僕・・わ、わた・・私・・・
坂井悠子よ。ヨロピク☆


「――ッ!!?」
「なによこれ、なによこれぇぇぇ!?」

オカマに侵入されたことで思い掛けない副作用が出てしまった悠二。
予想外の展開に、あれ?今、悠二の口から変な言葉が…??
――と、シャナさんもちょっと戸惑い始めます。
叫び声もオカマ言葉になっていることから、少々手遅れ感が漂います。


「ギャァァァァァァ!!?」

――っと思われたその直後、
零時迷子に触れた瞬間、左半身を消し飛ばされたオカマが悠二の外にまで吹き飛ばされ、
まさか戒禁が掛けられていたなんてー!っと、
若干潮干狩り的な雰囲気の漂う単語を叫んで地面を悶え転げるのであった。
そして瀕死になったオカマは、


「零時迷子を持てば、皆が私に注目して、
皆が私を追いかけてくれると思っていたんです。」


――っと、私はあの時、彼の提案に反対だったんだ…。
でも彼は皆の意見を聞かずに強行して…その結果彼女は死んでしまった…。
だから私はアイツを殺した。殺すしかなかったんだ!!
みたいな感じで、頼まれてもいないのに殺人の動機を話し出すサスペンスものの犯人みたいに、
オカマが力を失った所為で世界が崩壊しだしたので早く脱出したい二人に強引に話を聞かせ、
オカマは、一人淡々と、それでいてどこか満足げな顔で、零時迷子を狙った理由を話し出すのであった。
二人の表情からも分かるように、
これが実際の事件の自白だったとしたなら、警察としては手間が省けて助かるのですが、
もし友達とかに居たとしたら、ちょっとうざいタイプです。


「「「――はっ!」」」

そして目覚めた三人。
悠二だけ舟を漕いでる時に起きた時のように、一瞬ビクッてなりました。
あの後、オカマが吉田さんは目覚めないぞー!とかなんとか、
世界を脱出しようとする二人に無視される形で一人ゴチャゴチャと言っていたのですが、
結局吉田さんはアッサリ目覚め、三人は元の現実に戻ることに成功したのであった。
その後、家に帰った後でアラストールとヴィルヘルミナさんに相談を持ち掛けたシャナさん。


「――何っ!?戒禁だと!!?」
「えっ?うん・・。」

カチャーン・・ッ!

「まさか戒禁とは・・・(ゴクリ)。」
「どういう事なの、ヴィルヘルミナ?」

しかし、そんなシャナさんの口走った単語に対し、
二人は一瞬激しく動揺すると、シャナさんの質問を他所にそのまま押し黙ってしまうのであった。
本当は二人とも、戒禁だと!?「それは一体なんなのだ?」「それは一体なんでありますか?」
――っと、続けたかったのですが、空気的にちょっと無理っぽかったので、
敢えて黙ることでそれっぽい雰囲気を醸し出すことにしたのであった。雰囲気作りは大事です。


「コノエ フミナです。」

そして次の日、結局二人とも教えてくれなかった…何なのよ、ぶーぶー!
と言ってシャナさんが悠二と一緒に学校に登校し、朝のHRを待っていると、
突然、先生によって転校生が紹介され、
どう見てもヘカテーさんにしか見えない生徒が教室へと入ってくるのであった。
名前の漢字が知りたいところです。



第二話 完





<その頃の二人>


「でも、何で『頂のヘカテーたん』があるのに、
『逆理のベルペオルたん』は作られなかったんだろうねぇ?
普通に考えればそれのお陰で大ヒット間違いなし、
DVDも過去最高記録のバカ売れだと思うんだけどねぇ・・・?」

「・・・・・。」

「――いや、流石にそれは言いs」ギシッ・・。
「あっ、でもそうさね。
もしそんな事になったら、サイン会やら何やらで、
バル・マスケの活動どころじゃなくなっちまうし、
同性からの嫉妬や妬みも凄いことになって、
返って売れ行きが落ちちまうかもしれないねぇ・・。」


「むぅ・・・。」ギィ・・。
「こいつは私としたことがウッカリだったよ。
製作者側も中々に気が利くじゃないか。
少しは見直してあげないといけないねえ。」

(それなら『千変シュドナイたん』もダメか・・・。)